活動報告:夏季研究集会

第20回夏季研:第3分科会

第3分科会 「6・3・3制の見直しをめぐる動きをどう考えるか」
コーディネーター:広田照幸(日本大学)、青木純一(東京都市大学)

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 第3分科会では、昨年度より活動する6・3・3研究委員会の成果を報告するとともに、参加者との意見交換を通して6・3・3制を見直す際の基本視座や課題を整理することを目的とした。
前半は広田さんが「6・3・3制となにか」をテーマに報告した。広田さんは、6・3・3制の誕生から現在までを歴史的に整理し、「6・3・3」制の学年区分には必然性がないことを明らかにした。さらに、こだわるべきは「6・3」の区分ではなく、「教育を受ける権利と教育の機会均等」であると訴えた。また、理念から距離を置く様々な現実には個別に対応する必要があることを強調した。
 広田さんの報告を受けて、参加者から以下のような意見や課題が示された。たとえば、「課程主義(修得主義)と年齢主義(履修主義)との対立する考え方についての方向をはっきりすべき」「単位制高校や総合学科は機会均等の理念を実現するのに有効」「中退者や学習困難者に対するきちんとした学習保障の取り組みを」「6・3・3制をめぐっては私立学校の位置づけを明確に」等である。
 後半は青木さんが「小中一貫教育の効果と課題」をテーマに、この10年間の小中一貫教育の取り組みについて報告した。青木さんは小中一貫教育を大きく、①研究先進校(呉市や品川区)の動き、②教育特区の動き、③教育課程特例校の動きに分けて分析した。
 その結果、小中一貫教育の特徴として、青木さんは「エビデンスが不在であること」「英語活動に偏りすぎていること」「地域格差や学力格差の危険があること」「校区の適正規模に配慮した一貫教育が増えつつあること」などを指摘した。
 参加者からは「品川区の市民は一貫教育を好意的に受入れている」「一貫教育はこれ以上拡大する可能性は薄い」「就学前教育も巻き込んだ一貫教育になる可能性がある」などの意見が出された。参加者は少なかったが、有益な話合いであった。

2010年9月 4日